瑠璃色から連想する自分らしさ


お友達(飲み達?)のIくんからもらった本田孝好さんの『MISSING』を読み終えた。
私が好きなのは一番最初に載っていた「眠りの海」だが、ルコちゃんが出てくる「瑠璃」も心に残った。


ルコちゃんは「思うままに生きる」ことを信条に生きてきた。*1
「思うままに生きる」ということは「自由闊達に、時に突飛な行動をする」ということと同義なのだろうか。


ルコちゃんは悩んでいた。
自分らしく生きることは、他人と同じように生きることの反対であるように生きることだと。
でもそれができない。


多くの人が自分らしく生きることを望んでいるけれど、それは他人と同じところが全くないということと必ずしも一致しない。
人間は多様であるから、人と重なる部分があるのは当たり前だと思う。


私は”自分らしさ”を問われたとき、「継続」ということを思う。
何かを継続していれば、それが「オリジナル=自分のもの」になるのだと。
自分らしさを求めることを継続していれば、自分らしく生きられるのだと。


ルコちゃんと僕が好きな遊びは、「なぞなぞ」。
そのなぞなぞは、それぞれが答えを持っていて、センスのいい答えが「答え」になる。

「なぜ時計は一日に二周しかしないのでしょう?」(ルコちゃん)


「三周目に入ろうとするといつも一日が終わっちゃうから」(僕)
「怠け者だから」
 −「いつも、三周目は明日やればいいやって思ってる」(ルコちゃん)*2


謎かけは不思議。「自分らしい」答えが出てくる。


MISSING (双葉文庫)

MISSING (双葉文庫)

*1:そんなルコちゃんに「僕」は淡い恋心(というより、「人間として惹かれて」いたというほうが正しいか)を抱いていた。

*2:これは、ルコちゃんの勝ち