ワールド・トレード・センター
あのとき、私はフィリピンにいた。
2001年9月11日。
親友のE子を訪ねて行ったマニラで、私はテレビに釘付けになったのだった。
ビルに突撃する飛行機。
おもちゃのように崩れ堕ちるビル。
「目にしているものが信じられない」
そういう出来事にこれからいくつ遭うのだろう、そう思った瞬間だった。
その衝撃的な出来事が映画になるというので、観たいと思った。
Yだんが久々の(ダ・ヴィンチ・コード以来)六本木のシートを取ってくれた。
涙こそ出たが、☆3つ。
伝えたいことはわかった。
大切なことを、大切な人を、大切にするということ。
「いま」を後悔しないように生きようということ。
けれど、物語に深みが感じられなかった。
9月11日。
いろんな人の献身が、悲しみが、やるせなさが、希望が、あっただろう。
それらを描く余裕はなかったのかもしれない、でも伝えてほしかった。
伝わってくるものであってほしかった。
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グラウンド・ゼロに眠る人々と魂のご冥福をお祈りして。