茨木のり子さん


Oさんから勧められて読んだ岩波ジュニア文庫『詩のこころを読む』を読了。
いい本だった。


特に掲載されていた石垣りんさんの詩が良かったので、彼女の他の詩集も読んでみたい。


かの本の筆者 茨木のり子さんも詩人で、私は彼女の詩と高校生のとき出会った。
たれ目のやさしい国語の先生が紹介してくれたのだ。


茨木のり子さんの(詩の)第一印象は「厳しい」だった。
だって紹介されたのが『自分の感受性くらい』だったから。。

自分の感受性くらい            茨木のり子


ぱさぱさに乾いてゆくこころを
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて


気難かしくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった


駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

今も覚えているほど「厳しく」そして「真剣な」詩。

自分を省みるときに必要な「厳しさ」があるから、時々思い出してみる。