自分を見つめる


リクルートが発行しているML「キャリアガイダンス@メール No.32」に目を通し、香山リカさんが書いていたことに強く惹かれた。



私は経営企画の仕事を主にしており、新会社の設立にも携わっている。新会社では特に、新卒・中途を問わず優秀な人材を確保することが課題となる。


子どもに興味があることも手伝って学生の就職活動について採用担当者と話すことがあるのだが、昨今、学生の就職に対する意識が弱い(積極性が感じられない)、という。


就職活動はしているが、何がやりたいのか、と少し突っ込んだ話を聞こうとすると答えられない(答えを用意していない/考えていない)。自己アピールにしても、強みや弱みを自分なりに分析・把握できている学生が少ない、ということだ。*1



冒頭の話に戻る。



香山リカさんは大学の就職支援センターの要請を受け「学生が支援センターに行く支援」をしている。


学生に「どうして支援センターに行かないのか」と聞くと、「自分は就職したいのかしたくないかもわからない。そんないいかげんな段階でセンターに行っては悪い」と考えていることが多いのだという。


香山さんが「じゃ、就職以外なら何がしたい?」と聞くと、学生は首をひねる。見かねた香山さんが「あなたは社交性もあるし、人と接するような仕事が向いていると思うよ」とアドバイスしても、「そんなもんですか」と他人事のような顔をしている。つまり、自分の特徴や気持ちがまるでわかっていないのだ、、という。


・・・


香山さんはこう締めくくる。

キャリア支援センターに行く支援をする、と言うのもおかしな話だが、それくらいしないと若い人たちは自分を見つめ、社会に足を踏み出す準備もできないのだ。そうだとしたら、高校はさしずめ「社会に出るための支援センターに行く支援の支援をするところ」とでもなるのだろうか?悪いジョークのようだが、かなり深刻な問題だと思う。


・・・


香山さんは高校を「社会に出るための支援センターに行く支援の支援をするところ」と苦笑しながら定義している。


私は「子どもが『自分が自分だ』『自分はこれでいいんだ』ということを確認できる一番の場所」だと定義したい。(そして私が懸念するのは、その確認をする「支援」が必要なのではないか、ということだ)


 〜〜〜

自分の特徴や気持ちが一番わかるのは、他人と比較したときではないか。


「○○ちゃんは▲▲が好きだけど、私は□□が好き」
「☆☆くんは違うかもしれないけど、私は◎◎と思う」
と認識できることが、自分を知るということだと思う。


学校には比較対象がいっぱいあり、優越感・劣等感、憧れや疑問、合うもの・合わないものにたくさん出会うことができる。


 〜〜〜


比較のススメ。


自分がどうしたいか分からなくなったときには、、

  • 周りを見てみる。
  • これがイイな、(あれはギモンだな、)という要素を集めてみる。
  • イイと思うものの輪郭が見えてきたら、それを持った存在になれるように活動する。(ギモンだと思うものが見えたなら、そうならないような人になるべく、努力する)


*はみだし*
社会の先生(教職免状取得者)なもので。
歴史の教科書や歴史小説を読むと、たくさんのすてきな人たちが出てきて、自分の価値観と比較するのが楽しい〜



・今日のおすすめ

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*1:*おまけ*今日担当者の話を聞いたら、ちょうど新卒面接があったらしく、面接時の言葉の使い方が「なっていなかった」と言っていた(その学生さんは「祖母」ではなく「おばあさん」でもなく「おばあちゃん」と言ったらしい)。