小規模特認校
2006年4月18日付 読売新聞
「小規模特認校」細やか対応 評価の声
児童生徒の現象に悩む小中学校に、校区外からの就学を認める「小規模特認校」が注目されている。
少人数ならではのきめ細かい対応を評価する親が多いようだ。
(中略)
千葉県野田市の福田第二小学校(角谷一夫校長)は、2002年度に同市教委から「小規模特認校」に指定された。市内全域から就学できる。校区外から通う児童は児童65人中17人。新1年生は13人中10人いる。
1980年代に約160人いた児童は、少子化の影響で、2000年代に入ると半減。小規模校ならではのきめ細かい対応で子どもを呼び込むことで、学校の存続を図ることにした。
角谷校長は「基礎を重視した、特色のある授業を工夫しています。保育園に説明に出かけたり、ポスターを作ったりと、PRも欠かせません」と話す。
各学年の人数は8〜15人。算数の授業は、教師とは別に講師を招き、2人態制で行う。外国語指導助手による英語の授業も。給食は全校児童が一緒に食べる。近くの里山で自然観察をしたり、地元の人から太鼓を習ったりと、情操教育にも力を入れている。
1年生の長女(6)を通わせている木村睦美さん(39)は「学校見学の際、子どもたちが自分からあいさつし、上級生が下級生の面倒を見ている姿が印象的だった。自然も豊か。マンモス校では見過ごされてしまうことも、ここなら大丈夫だと思った」と話す。片道約15分かけて車で送迎している。
「小規模特認校」は、1970年代に札幌市で始まった制度。山間部や農村部の学校の存続や活性化を図る目的だった。その後、97年、旧文部省の「通学区域の弾力的運用」の通知を受け、取り入れる自治体が広がった。
最近は、人口の郊外移動や少子化により、子どもの数が減った都市部でも取り入れる例が多い。「自然豊かな環境」「英語の力を入れる」などの特色をアピールしている。今年度も、大阪府和泉市や柏原市が導入。金沢市は特認校を2校増やし3校とした。
ただ、特認校に指定されても、学区外から子どもが通ってくるとは限らない。千葉県君津市では2004年度に小学校2校を指定したが、学区外からの児童はゼロ。「子どもの送迎など親の負担が大きいことも原因」(同市教委)という。
北海道教育大学岩見沢校の門脇正俊教授(教育社会学)は「都市型の学校より、家庭的な雰囲気の小規模校が合う子どもは一定数いる。人数が少ない地元の子どもにとっても、他地域からの子どもは刺激になる。学校側は小規模特認校の魅力を広く理解してもらう努力が必要だ」と話している。
学校選択の自由が広まり始めてから、10年が経とうとしている。
地方自治体の試行錯誤が続くが、以上の記事を読んで「進路に関する学校間の連携」が必要だと感じる。
小学校から中学校に上がるなど進路選択の際、子どもたちに対して
- 選択・進学できる学校の特色の紹介
- 進路に関する斡旋(ナビゲート)
を、教委の指導のもと学区の学校が一緒になって実施していくべきだと思う。
- 小規模特認校制度について(千葉県野田市、福田第二小学校に関するPRも)
- http://www.city.noda.chiba.jp/qa/qa-004.html
ちなみに当社の本部がある千葉県は、特に地方での個性を生かした教育改革に熱心で、教務情報はとても参考になる。